尾張は元々、東西交通の要衝にあって商業が盛ん。そうした土壌で、未来は自分の能力次第で開かれるものだ、という現実的かつ合理的な思考が備わりました。こうした考えは、地元の雄・織田信長に通ずるものがあります。同時に、尾張藩が「勤倹貯蓄」を奨励した影響があるかもしれない、「堅実さ」も尾張人の特徴です。
また、明治初期には新政府から冷遇されたため、他人を信用しない傾向もあります。貯蓄志向が高いいっぽう、株式運用などのリスクを嫌うのです。「一安二量三味(いちやすにかささんあじ)」といわれるように、価格の安さを最優先するのも尾張人特有の堅実さ。こうした価値観は見方を変えれば、「尾張はケチ」に映ってしまうのです。