博報堂DYメディアパートナーズ メディア環境研究所は、テクノロジーの発展が生活者や社会経済に及ぼす影響を洞察することを通して、メディア環境の未来の姿を研究しています。少子化・超高齢化社会が到来する中、本プロジェクトは現在各地で開発が進められているテクノロジーの盛衰が明らかになるであろう2040年を念頭におき、各分野の有識者が考え、実現を目指す未来の姿についてインタビューを重ねてきました。 「2040年のメディア」を考えるにあたりキーワードになるのが「Web3.0」です。Web3.0とはブロックチェーンを基盤とした分散型インターネットとして提唱された考え方のこと。Web3.0の登場により、これまでの中央集権型な社会から分散型、つまり個人がイニチアシブを取る社会に変化すると考えられています。では現在、Web3.0最前線ではどんな取り組みが行われ、今後、私達のライフスタイルにどう影響するのでしょうか? Web3.0のキーパーソンであるSuji Yanさんに話を伺いました。 <プロフィール> Suji Yan(スジ・ヤン) Mask Networkの創業者兼CEO。イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校で情報工学を学ぶも、東京大学への留学を機に中退。その後、日本と米国で起業し現在はWeb3.0 / NFTの最前線で活躍している。SNSなどで使われる個人情報を暗号化して送信できるサービスであるMask Networkの活動のほか、分散型SNS「マストドン」の日本で2番目に大きいサーバの譲渡先になったSujitechのCEO、フリージャーナリスト、自動運転開発エンジニア、モデルなど多種多様な顔を持つ。 Web3.0がビジネスにもたらすもの ――SujiさんはMask Networkの創業者兼CEOとして活動していますが、今、Sujiさんが取り組もうとしていることや興味がある分野について教えていただけますか? 私は2014〜15年頃に、ビットコインやイーサリアムの開発者に出会いました。当時Web3.0という言葉はすでに存在していましたが、ちょうど2015年頃にイーサリアムのギャビン・ウッドCTO(当時)がWeb3.0を再定義し、Web3.0の解釈がより豊かになっていきました。 そして今、Web3