いずも型護衛艦がV/STOL機を運用可能な軽空母へと改装されているが、最終的に空母保有はどのレベルを目指しているのだろうか?
まず空母の必要性について。純粋な戦力として考えると、空母に投資する資金を陸上配備の戦闘機に回した方が良いという意見が長らく優勢だった。80年前のように遠い海域に出向いて戦力投射する必要が無いからだ。空中給油機があれば作戦可能という論。
しかし戦力以外の側面で見ると、空母は外交におけるプレゼンスがとても強い。最近は海外との連携と仲間作りを強化しているため、そうした外交用途での需要の高まりが大きく関係したのだろう。今回の改装とF-35B導入は自衛隊ではなく官邸、NSC、自民党国防部会が主導だったとの記事もある。
将来的な集団的自衛権獲得の可能性も視野に入れるなら、空母の運用ノウハウ獲得は大きな意味を持つだろう。
現在位置としては、いずもは改修が終わっても空母としての能力は極めて限定的。早期警戒機を載せる目処も経っていない。いずも型の役割は、練習艦兼実験艦として空母運用の土台を作り次へ繋げる事。そして前述の通り外交的な役割を果たす事が任務だろう。
次型はどのようなレベルの空母になるのか。
1. V/STOL機のみ運用可能な軽空母
2. 電磁カタパルトによりCATOBAR機を運用可能な軽空母
3. 電磁カタパルト+アングルドデッキを持った軽空母
電磁カタパルトが入手可能であれば3になる可能性もあるのではと思う。何故ならV/STOL機には制約が多いから。
1つ目は性能が低い事。ホバリング機能の為に重たく、ウェポンベイも小さくて積載能力が低い。
2つ目は自国開発に課題がある事。いくつもの機種を開発する余裕は無いが、CTOL機との共通化は難しい。2機種開発するしか無い。
3つ目は複雑故に高額になる事。
アングルドデッキに関しては、無人機の運用が増えていく事を予想すると、小型艦でもアングルドデッキを採用するメリットが増すと考えられる。機体が小型なので小型艦でも発着数が増え、発着艦が同時に行われる場面も増えるだろうからだ。その意味ではカタパルトが入手できなくても採用する可能性もある。
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