Conversation

僕が世界にうんざりして傷付き、何もかも嫌な気持ちになっている時、「悪いところばかり見るのは良くないよ」と言われることがある。

言いたいことは分かる。
世界のすべてが無理解と偏見に満ちているわけじゃない。当事者でなかったとしても、色んなことを思慮深く考えようとする人たちもいる。
それに、世界はすこしずつしか変わっていかない。何十年、何百年後にやっと当たり前になっていくようなことばかりだ。そのための今なのだから、今の悪いところばかり見て気持ちがだめになってしまっては意味がない。
たぶんそういうことなんだよね。

でも。
「良くない」のは僕のほうなんだろうか？
世界の中の、うんざりするような無理解や偏見や嫌悪や差別は、ほんとうに、僕が「悪いところばかり見る」から大きく見えているんだろうか？
僕が、僕らが、生まれてから今日までこんなに苦しんで痛め付けられてきたのは、僕ら自身がそこばかり見たせいなんだろうか？
何人死んだと思ってるんだ。

そんなに些細なことだったか？
あなたはそれで平気だったってことなのか？