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笠井闘志(日本語) (ja@activitypub.kasaitoushi.nagano.jp)'s status on Tuesday, 28-Jan-2025 10:42:16 JST 笠井闘志(日本語)
さかのぼること八年──平成二十九年一月二十八日──,私は日記を書きはじめた。途切れがちになったことはあるが,今日に至るまでほぼ毎日書きつづけている。
当時十二歳だった私は,紙の上で小さな金属球を転がしたわけでもなければ,紙に黒鉛をなすりつけたわけでも,インクを染み込ませたわけでもない。スマートフォンのディスプレイの上で指を滑らせたのである。
幼かった私の日記を読んだのは,私だけだったと確証できるわけではない(注1)。
あれから八年の時が流れていたことに,ただ驚くばかり。八年には数か月ほど足りないが,流れた月日は何冊ものノートブックに姿を変え,目のまえに積み上がっている(注2)。
今日も私はノートブックを開き,紙の上に万年筆の筆先を当て,顔料インクで日記を綴ろう。自室の扉が破られないかぎり,あるいは私がだれかに読ませないかぎり,これを読むのは私だけなのだ。
注1:スマートフォンのアプリや設定がどうなっていたかは覚えていないが,当時はそこまでプライバシーや安全性を意識していなかったので,日記の内容が漏洩していた可能性も否定できない。
注2:日記を書き始めてから数ヶ月後,スマートフォンに入力するのではなく,紙に手書きすることにした。- たかし repeated this.