空母はともかく、おおすみ型輸送艦(という名の強襲揚陸艦)を置き換える次世代艦艇では、STOVL機運用が可能なワスプ級/アメリカ級みたいな艦艇になる可能性はあり得ると思う。
強襲揚陸艦とは海から戦力を投射するための拠点であり、今どきの強襲揚陸艦は海上輸送能力と航空輸送能力を持っている。しかしおおすみ型はどちらの能力も限定的。
まず海上輸送能力。LCAC(ホバークラフト)2隻を収容可能なウェルドックを持つが、乾式で注水できないため、一般形状船舶の運用はできない。
そして航空機運用能力。ヘリの発着艦は可能だが、ヘリ格納庫は持たない。車両甲板へ降ろす事は可能なものの、エレベーターも小さく、載せるにはローターを取り外す必要がある。当然、航空機整備能力は持たない。「空母っぽい」外観だが、航空機運用能力は大幅に欠如している。
なぜこんな中途半端な存在になったかと言えば、そもそも「空母っぽい艦艇」を持つ事自体に非常に高いハードルがあったからだろう。海自初の全通式甲板を装備する艦であり、それすら最初のイメージ図では隠蔽されていた。そこからひゅうが型、いずも型と来て、いずも型の改修に至る。
また、海上上陸作戦も想定されていなかっただろう。中国が海洋進出を本格化する前に建造された艦である。
F-35B運用の必要性はともかく、V-22オスプレイやCH-47チヌークといった輸送機の運用が可能になる。現状のおおすみ型では耐熱板が無ければV-22の発艦は不可能だし、巨大なV-22やCH-47を載せるにはサイドデッキ式エレベーターが必要。
ひゅうが型およびおおすみ型の後継としてワスプ級/アメリカ級のような強襲揚陸艦が導入される可能性があるように思う。
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