第2回カクヨム短歌・俳句コンテスト【短歌の部】 きみのため楔を抜いて秒針を四ミリずらす雨になりたい 鈴鳴らし風に散るさま色を付け夏の夜明けに藤と花咲く 錠剤五粒の強がりが「君は大丈夫」で一粒ずつほどける 欠けているはずもないのに欠けている決めつける夜も月はまるい 今はまだ産声すら上げられぬ小魚だって鯛になる今だ 「落ちたならあとは浮くだけ」無責任でも潜水が下手なのはそう 愛したかったわけでもないし許したかったわけでもない 霧雨 萎縮した電話の向こう「休みます」きみのいのちが満ちてる証拠 『いかなる理由も欠勤とす』とかいう世界きみのこと知らなすぎ 世の中の夜を敷き詰めて冷凍 タイムラインに薄氷を張る @10da_4zu5
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